栞の言の葉日記

日々の出来事、感想、思考を記録として文章に…。

来世に

自分じゃない他の誰かになりたい。
そう思うことが多々ある。
それと同時に私は私のままでしか生きられないと思い返す。

私は他の誰でもない私でしかない。
少なくとも今世は私として生きるしかほかないのだ。

今流行りのありがちな物語のように、
見知らぬ世界に転生して、見知らぬ国の王子様にベタ惚れされて溺愛されて幸せに暮らしたい。
だが、そんなことは叶いそうにない。

昨年の春、大好きなアーティストのLIVEに当選したのを皮切りに悪いことばかり立て続けに起こった。
そしてそれは新年を迎えた今でも断ち切れずにいる。
続いている不幸と新しくやってくる不幸。
いろんな不幸が入れ代わり立ち代わり混ざりあい、なにがなんだかわからない。
今までわりと真面目に生きてきたつもりなのだが、なにか悪いことをしたのだろうか。

私の不幸とは裏腹に、私の周りではプロポーズをされたり、妊娠が発覚したりと幸せな人が続出した。
私も嬉しいはずのできごとが「なぜ私ばかり」という思考に覆い尽くされ喜ぶどころか哀しみに色を変えていく。

不幸が続くのは幸せの前兆だと言うものもいるが、かなりのあいだ不幸が続いている。
おかしい、幸せはいつ来るのだろうか。
なんとか幸せを掴むために必死にもがいているのだがまだ足りないのだろうか。
もう、こちらはもがき疲れてしまったと言うのに…。

恵まれているあの人に、スタイルのいいあの人に、顔が可愛いあの人に、仕事が出来るあの人に、自分ではない何者かになりたくてなりたくて仕方ない毎日だ。
もう他の誰かでなくていい、純粋なあの頃に、まだ闇を知らないあの頃に、選択できたあの頃に、どうにでもできるあの頃に戻りたい。
ベッドに入るたびに、「どうかあの人になっていますように。どうかあの頃に戻っていますように。」と馬鹿げたことを祈る。
神も仏も信行していないのに祈る。
そうして目が覚め落胆し、
今日も仕方なく、私は今の私を生きる。